こんにちは。
中山不動産株式会社です。

希望条件にぴったりあった理想のマイホームが万が一、火災や自然災害に見舞われてしまったら、精神的なダメージは想像以上でしょう。
しかし、それ以上に修繕や今後の生活を考えると、金銭面での打撃も大きいものです。
火災保険は万が一のときに備えてせっかく加入するのですから、「税金の優遇措置以外にも火災保険でも長期優良住宅ならお得になるのだろうか」「火災保険の保険料が少しでも安くなる方法があれば知りたい」と、保険料の割引が何かあれば嬉しいところ。

火災保険の割引は長期優良住宅なら適用されるのかについて詳しく解説します。
この記事で他にも紹介する、多様な割引制度や保険料を安くする方法もチェックして、少しでもお得に火災保険を活用しましょう。

【結論】長期優良住宅で火災保険は割引されない

固定資産税や不動産取得税の軽減が受けられたり住宅ローン控除の控除額が多かったりと、通常の住宅よりも、税制面でさまざまな恩恵が受けられる長期優良住宅。
そんな魅力が多い住宅ですが残念ながら、長期優良住宅というだけでは、火災保険は割引されません。
まずは、長期優良住宅の特徴を紹介します。

そもそも「長期優良住宅」とは?

長期優良住宅とは、「長く安心して、快適に住める家」のこと。
2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」で決められた基準をクリアすることが条件です。
新築住宅を対象として始まった制度でしたが、2016年からは既存住宅の増改築にも適用されるように制度の変更がありました。

メンテナンスのしやすさやバリアフリー性、省エネ性能など、さまざまな面から家の構造や設備の基準が設けられています。
認定を受けるための申請コストがかかったり建築期間が延びたりする点に注意が必要です。
しかし、税制面での優遇措置が多く、子どもや孫の世代まで安心して長く快適に過ごせる家が手に入るのは、とても魅力に感じるポイントでしょう。

長期優良住宅の割引は地震保険のみに適用される

地震保険の「免震建築物割引」または「耐震等級割引」のどちらかが、長期優良住宅には適用されます。
耐震等級3もしくは免震構造の住宅であれば、保険料は半額。
とてはいっても、割引は自動的に適用されるものではありません。基準を満たしている証明書の提出が必要です。

割引の種類適用条件割引率
免震建築物割引免震建築物に該当する建物であること50%
建築年割引1981年6月1日以降に新築された建物であること10%
耐震等級割引所定の耐震等級を有していること耐震等級1:10%
耐震等級2:30%
耐震等級3:50%
耐震診断割引耐震診断または耐震改修の結果、耐震基準を満たしていること10%

(参照:地震保険制度の概要 財務省

注意するポイントは、割引制度はどれも併用できないこと。
具体的な保険料額は、お住まい予定の地域や住宅の構造によって決められています。

火災保険の割引制度は何がある?

「税制優遇措置はあるのに、火災保険は長期優良住宅が対象の割引がないなんて……」と残念な気持ちになるかもしれません。
「どうにかして、保険料をお得にできないものか……」と思い悩むことでしょう。
火災保険を取り扱う保険会社がそれぞれ実施している割引制度のなかから主な割引を紹介します。
複数の保険会社から見積もりをする際には、保険料や補償内容以外の割引制度もぜひ確認してみてください。

新築割引

「新築」と聞くと、多くの方が建築から1年以内をイメージするのではないでしょうか。
割引の対象住宅は、一律で「築年数○年以内」と決められてはいません。
各保険会社ごとにさまざまな規定がされています。

<「新築・築浅物件」として取り扱う築年数の例>

「新築割引」もしくは「築浅割引」との名称で、築年数による割引が受けられる制度がある保険会社はたくさん。中古住宅でも築年数の条件をクリアしていれば、保険料が抑えられます。中古住宅の購入を考えている方は、建物の築年数を必ずチェックしてください。

長期割引

1年ごとに更新したり2年〜10年といった長期間で契約したり、火災保険の契約プランが選べます。
長期割引とは、契約期間を1年ごととするよりも長期間まとめた契約の方が、年間の保険料を数%抑えられる制度のことです。

火災保険は最長で10年の契約が可能ですが、2022年頃からその期間が5年間に短縮される可能性があります。
5年までしか契約できなければ、「割引率が下がって、家計の負担が増えそう……」と心配する方もいるでしょう。
しかし、期間短縮するメリットとして考えられるのが、保険のこまめな見直しや最長5年の契約しかできない地震保険と同じタイミングでの更新などが可能なことです。

ホームセキュリティ割引

ホームセキュリティ割引の適用には、警備会社で常に監視してもらう警備システムの購入が必須です。
「火災」と「盗難」の両方の監視対象が有効状態の場合、割引が適用されると、保険料の割引率は最大で40%。

警備会社のシステムで、安心して暮らせる家にはなりますが、月々のホームセキュリティ費用が必要です。
毎月の費用を抑えるために、監視対象を減らしてもらうこともあるでしょう。
しかし、監視対象を減らした警備システムの購入では、保険料の割引率が下がってしまう点に注意してください。

オール電化住宅割引

住宅内の設備すべてを電気でまかなうオール電化住宅を対象とした割引制度があります。
ただ、中には冬にエアコンの暖房機能だけでは寒いために、石油ストーブやガスヒーターを使うことを考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、室内での石油ストーブやガスヒーターの使用は、オール電化住宅割引の対象から外れてしまう恐れも。
一方で卓上コンロや七輪は使用しても問題ないと判断される可能性が高いです。
住宅内で使用可のものと不可のものがどれなのかについては、自己判断は避けてしっかり確認しましょう。

ノンスモーカー割引

ノンスモーカー割引の対象になる条件は、喫煙者が住んでいない住宅であることです。
「子どもが成人して喫煙するようになった」など、住人の喫煙状況に変化があった場合は、速やかに保険会社に連絡しましょう。

自宅内に喫煙者がいないと、火災の原因が一つなくなります。
火災へのリスクが減らせるため、保険料の割引が受けられます。
たばこによる火災でも、一時的な来客者の喫煙や通行人によるポイ捨てが原因の場合は補償の対象として扱われます。

発電システム割引

太陽光発電システムや家庭用燃料電池のエネファームの設置をしている住宅を対象とした割引制度が発電システム割引です。
オール電化の住宅でなくてもソーラーパネルを屋根に設置することを検討される方もいるでしょう。
先ほど紹介したオール電化住宅割引は、ガスと併用してしている家庭では適用対象外です。
しかし、この発電システム割引なら、割引の対象が広がります。

長期優良住宅で火災保険料を安くする方法は?

長い目で見ると家計に重くのしかかる、火災保険の保険料の負担。
大切なマイホームの万が一にしっかり備え、保険料の負担が少なくなる方法があれば安心です。
最後に、火災保険料を少しでも安くするためのコツを紹介します。
ぜひ参考にして、家計の負担を軽くしましょう。

不要な補償は外す

「火災保険はお手頃な保険料にしたい」そのような要望を実現するには、不要な補償を外すことです。
火災以外にも水災や風災、盗難、落下物による破損など、万が一に備えた補償は多くあります。

しかし、あれもこれもとカバーすると、どうしても支払う保険料は高くりがちです。
保険料をお得にするポイントは、なるべくオプションを減らし必要最低限の補償を選ぶこと。
不要な補償の目安は、「発生リスクが低い自然災害かどうか」です。
購入予定の住宅があるエリアのハザードマップをぜひ一度、確認してみましょう。

免責金額を設定する

免責金額の設定は、保険料を抑える方法の一つです。
免責金額とは、自己負担する金額のこと。例えば、30万円の被害を受けた場合で例を見てみましょう。

免責金額
0円20万円
自己負担金0円20万円
保険会社からの保険金30万円10万円


自己負担の金額が多ければ保険金支払い時に保険会社側の負担が減ります。
これが、保険料が抑えられることにつながります。
ただし、免責金額はいくらでも良いというものではありません。
高すぎると、いざというときに貯金がなく支払いが困難になることも。
金額設定をするときには、保険料と自己負担のバランスをよく考えることが大切です。

まとめ

長期優良住宅は税制の優遇措置が豊富で、長く快適に暮らせるのが魅力の住宅です。

「保険会社ごとに実施している特色ある割引制度の活用」
「必要な補償のみのシンプルな保険」
「無理のない範囲での免責金額の設定」

の3つを押さえることで、火災保険の保険料負担が軽くなります。

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