リスク&メリット

不動産投資のリスクとヘッジ方法を徹底解説|失敗回避の方法とは?

メリットとリスク

不動産投資は多くのメリットがあり、サラリーマンにも人気の投資手法です。

ただし、投資をする以上はリスクについても想定しなければなりません。
「不動産投資のリスク対策ができなければどうしよう」と不安になる人も少なくないでしょう。
 
そこで今回は、不動産投資におけるリスクとヘッジ方法について解説します。
不動産投資は本当にリスクが高いのか、自分自身で確かめることが大切です。
メリットとリスクのどちらも理解したうえで、不動産投資はやめるべきなのかを判断しましょう。

不動産投資に潜むリスクとは?

不動産投資家になれば、投資用物件を貸し出すことで一定の家賃収入が得られます。
不労所得を得る方法として人気の不動産投資ですが、そこに潜むリスクには注意が必要です。
FXや株式投資などのハイリスク・ハイリターンの投資商品とは違い、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンとされています。
短期間で高い収益をあげることはできませんが、成功すれば一定の利益を長期にわたって得られます。
また、リスクを事前に知り、対策ができることも不動産投資のメリットです。
管理運営のやり方次第では、リスクを下げながら運用益を高められます。
一定のコストはかかりますが、自分でリスクをコントロールできるのは不動産投資の特徴と言えるでしょう。
不動産投資は「やめとけ」と言われる理由が、リスクの種類が多いことにあります。
経年劣化の影響を受けるなど、他の投資商品と異なる点がたくさんあるためです。
また、注意点やデメリットを理解している人が少なく、不安が先行していることも理由の一つです。
投資家ではない人がイメージで「やめとけ」と口にすることも少なくありません。
リスクが多い投資商品ですが、適切な対策を講じれば不安は解消されます。
さまざまなリスクを見越してその都度対処し、計画的に運用することが大切です。

不動産投資の7つのリスク

不動産投資で物件の収益性を高めるためには、リスクについて理解することが大切です。
ここでは、不動産投資で代表される7つのリスクについて説明します。
以下で、それぞれのリスクについてみていきましょう。
不動産投資における最大のリスクとなるのが空室です。
空室リスクとは、所有している物件に誰も借り手がつかず、空室が発生し家賃収入を得られないことです。
不動産投資の主な収入源は家賃収入であるため、空室が発生すると収入がゼロになります。
ローンの返済中なら、自身の給料や貯金から補填しなければなりません。
そのため、空室率が大きくなると、赤字経営や破綻のおそれが出てきます。

空室リスクの高い物件の特徴は以下のとおりです。

東京・名古屋・大阪を中心としたエリアは、人口が急激に減る可能性は低いと言えます。
ただし、賃貸需要が安定している東京でも、競合物件が多く入居が決まりにくいことも。
エリア内のさまざまな不動産情報を収集したうえで、賃貸経営を始めることが大切です。
空室リスクと同様に、不動産投資の家賃収入が減るリスクが家賃滞納です。
入居者から家賃を回収できないと、いくら満室経営でも滞納分の家賃収入は減ります。
家賃をうっかり払い忘れであればすぐに回収可能ですが、お金がなくて払えない場合もあります。
また、そもそも払う気がない滞納者には頭を悩ませることになるでしょう。

公益財団法人日本賃貸管理住宅協会の「第25回賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』」によると、エリア別の滞納率平均は以下のとおりです。

上記からわかるように、全国平均は5.0%で、20世帯に1世帯が滞納している計算です。
もちろん、ここにはうっかり滞納した可能性のある人も含まれています。
月末での2ヶ月以上滞納率は比較的低くなっているとはいえ、滞納による収入源は見逃せないリスクです。
収益物件の家賃下落も、不動産投資の家賃収入が下がるリスクの一つです。
建物は経年劣化とともに賃料が下がっていきます。
三井住友トラスト基礎研究所の「
経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」によると、以下の3段階で賃料が下落するとあります。
調査結果によると、築0〜25年の家賃下落率は年率1%です。
とくに、築3〜10年は下落率が大きく、25年間の平均下落率1%を唯一上回っています。
新築物件は家賃が高めに設定されますが、一度でも入居すると家賃は下がっていきます。
周りの物件と競合し家賃を下げざるを得ないこともあり注意が必要です。
建物の経年劣化の影響は家賃下落だけでなく、修繕リスクも存在します。
新築・中古に関わらず、ある程度の年数が経てば修繕の必要が出てきます。

不動産投資における修繕対応が必要なケースは主に以下のとおりです。

修繕には多額の費用が必要となり、一棟アパート・マンションの大規模修繕だと1,000万単位の費用になることも。
中古物件は購入後すぐに修繕が必要なことも珍しくありません。
そのため、修繕リスクを理解したうえで賃貸経営を始めることが大切です。
何もメンテナンスをしなければ当然老朽化は進み、空室リスクも高まっていきます。
不動産投資から得られる収入が下がるため、定期的なメンテナンスや修繕をおこないましょう。
不動産投資は金融機関から融資を受けられることもメリットの一つです。
一方で、不動産投資ローンの金利が上昇するリスクにも気を付けなければなりません。
金利が上昇して月々の返済額が増えると、利益が圧迫されたり、赤字が膨らんだりする可能性があります。
不動産投資ローンは返済期間が長く、金利上昇リスクには注意が必要です。
ただし、全期間固定や固定金利を選択する場合は、金利上昇リスクを避けられます。
変動金利の場合も、「5年ルール」や「125%ルール」が適用されることがほとんどです。
上記のルールがあるため、金利が上昇しても、すぐに返済額が変わるわけではありません。
金融機関によってルールが適用されないこともあるため、事前に確認しておきましょう。

参考元:オリックス銀行「不動産投資 借入金利について

対策していても避けられないのが災害リスクです。
マンションなどの不動産は、地震や大雨による浸水、火災などの事故に巻き込まれる可能性があります。
国内外のどこで不動産を保有している場合でも、災害リスクをゼロにすることはできません。
とくに、日本は地震大国であり、近年でも複数の大地震が発生しています。
地震や火災などが発生すると建物は大きなダメージを受けるため、多額の修繕費用がかかります。
修繕中は入居者の募集ができず、家賃収入が得られないことに注意が必要です。
不動産投資の主な目的は家賃収入ですが、将来的に売却するかもしれません。
投資用物件は家賃収入が下がると収益性も低下し、結果的に不動産価値も下がります。
不動産価値が下落すると、思うような金額で売却できないこともあります。
不動産価値が下がるのは、主に「賃貸需要が減った」「周辺に競合物件が増えた」などの外的要因の影響によるものです。
また、物件での事故や事件、建物の老朽化などによる物件価格の下落により購入時と比べて価値が落ちる可能性もあります。

不動産投資のリスクヘッジ方法

不動産投資で失敗しないために、リスクを見越して適切な対策を講じることが大切です。
ここでは、不動産投資で注意すべきリスクのヘッジ方法について解説します。

空室リスクの具体的な対策方法として、以下の3つが挙げられます。

◆賃貸需要のある立地・エリアの物件を選ぶ◆

空室リスクを避けるためには、賃貸需要のある立地・エリアの物件を選ぶことが大切です。
日本は人口減少が続いており、賃貸需要が安定するエリアを選ぶことが必須です。
都市部など賃貸需要がある地域でも、供給過剰になっているところもあります。
現在の状況だけでなく、将来にわたって賃貸需要を見込めるかどうかも必ず確認しましょう。

◆入居者に人気のある設備を用意する◆

賃貸需要のあるエリアでも、時代に合っていない設備の物件は入居付けが難しい傾向にあります。
どの層を対象にするのかでも変わりますが、入居者に人気のある設備を用意したり、
新たに追加したりすることも空室リスクの対策方法の一つです。
最近では「宅配ボックスの有無」「24時間ゴミ出しができる施設の有無」などを重視する人も増えてきています。

◆入居者募集に強い賃貸管理会社に委託する◆

退去が発生しても空室期間を短くするためには、賃貸管理会社の活用が欠かせません。
どの賃貸管理会社に委託するのかで、空室が埋まるスピードは大きく違ってきます。
賃貸管理会社の多くは、ホームページで入居率などの実績を公開しています。
入居率98%前後を目安に賃貸管理会社を選んで空室リスクの対策をしましょう。

家賃滞納リスクの具体的な対策方法として、以下の3つが挙げられます。

◆入居審査のハードルを高くする

家賃滞納を防ぐ一番の方法は、滞納を起こす人を入居させないことです。
賃貸管理会社に入居審査を厳しい視点でおこなってもらったり、自身でも入居を許可するかを検討したりしましょう。
収入・勤務先・勤続年数・家族構成などの属性が調査対象となります。
下記は入居審査でチェックすべきポイントですので参考にしてみてください。

◆家賃保証会社を利用する

入居条件として「家賃保証会社への加入」を必須にすることも有効な手段です。
入居者が滞納した場合に保証会社が代わりに支払ってくれるサービスです。
滞納が続く場合は保証会社が入居者に対して立ち退き訴訟を起こすなどの手続きを進めてくれます。
家賃保証の利用では、入居者が手数料を支払うことになるため、オーナーの負担が少ないのが魅力です。

◆サブリース契約にする

空室リスクや家賃滞納リスクを防ぐ方法として、サブリースの選択肢もあります。
サブリース会社が貸主として第三者である入居者に転貸する契約のことです。
サブリース会社は、入居者の有無や家賃滞納に関わらず、一定期間はオーナーに保証賃料を支払います。
ただし、利用する際の注意点やデメリットもあるため、それらを理解したうえで検討しましょう。

家賃下落リスクの具体的な対策方法として、以下の2つが挙げられます。

◆中古物件を購入する

一般的に不動産は新築時をピークに、家賃は下落していきます。
先に説明したとおり、下落率は築年数の経過とともに緩やかになる傾向にあります。
新築物件はスタート時こそ入居者付けが容易ですが、ずっと続くわけではありません。
家賃が大幅に下落する可能性のある新築物件ではなく、はじめから中古物件を購入することがリスクヘッジになります。

◆利便性の高い立地を選ぶ

建物の価値を維持するうえで重要な要素は、その土地や利便性です。
周辺にスーパーやコンビニなど日常的に利用する施設の有無だけでなく、都市部へのアクセスも家賃を大きく左右します。
最寄り駅から徒歩10分以内やターミナル駅に行くまでにかかる時間など。
長期的に安定した収入を得るためには、利便性の高い立地を選ぶことが大切です。

修繕リスクの具体的な対策方法として、以下の4つが挙げられます。

◆修繕費用を積み立てておく

修繕リスクの対策として、修繕費用を毎月積み立てておきましょう。
修繕費用の目安として賃料収入の3%を積み立てることで、万が一の場合の備えになります。

◆修繕ノウハウのある賃貸管理会社に委託する

物件の価値を維持するためには、定期的なメンテナンスと、修繕が必要な箇所の早期発見が大切です。
修繕ノウハウのある賃貸管理会社に委託すれば、状況に応じて費用対効果の高い修繕のアドバイスを受けられるでしょう。

◆原状回復に充てるための敷金を設定しておく

退去時の原状回復費用は、入居者とのトラブルになる原因の一つです。
トラブルを避けるかつ、修繕リスクを軽減するために、敷金を設定を相場よりもやや高く設定しましょう。
敷金を高めに設定することで、最終的にかかる費用を敷金でまかなえる可能性があります。
敷金に関しては使用明細などを入居者に提示することも大切です。

◆購入検討時に修繕履歴をチェックする

退去時の原状回復費用は、入居者とのトラブルになる原因の一つです。
トラブルを避けるかつ、修繕リスクを軽減するために、敷金を設定を相場よりもや投資用物件の購入時にチェックしたいのが重要事項調査報告書です。
これには、過去の修繕履歴や修繕積立金の総額、大規模修繕計画の見通しなどが記載されています。
修繕積立金が十分に貯まっていない、適切に修繕がおこなわれていない場合などは注意が必要です。
や高く設定しましょう。
敷金を高めに設定することで、最終的にかかる費用を敷金でまかなえる可能性があります。
敷金に関しては使用明細などを入居者に提示することも大切です。

金利上昇リスクの具体的な対策方法として、以下の3つが挙げられます。

◆自己資金を増やして借入金を減らす

自己資本比率を上げることで、金利上昇リスクの影響を受けにくくなります。
不動産投資で失敗しないためには、借り入れの額を大きくしすぎないように注意が必要です。
自己資金は物件価格の3割程度を目安に準備しておくといいでしょう。
自己資本比率が高い人は、融資を優遇してもらいやすくなるというメリットもあります。

◆繰り上げ返済を計画的におこなう

金利上昇のリスクを抑えるために、あらかじめ現金を貯めておき、金利上昇にあわせて繰り上げ返済をおこないましょう。
繰り上げ返済には、返済期間を短くする「期間短縮型」と、月々の返済額を減らす「返済額軽減型」があり、家計や資産計画をふまえて選択します。
返済額軽減型にすれば、金利上昇で圧迫されたキャッシュフローの改善が見込めます。
固定金利を選択すると、その期間内に一括返済するとペナルティが発生するため要注意です。

◆元金均等返済にする

不動産投資ローンの返済方法は「元利均等返済」と「元金均等返済」のいずれかを選択します。
元利均等返済は、金利が同一なら返済完了まで毎月の返済額が変わりません。
元金均等返済は、借入時から徐々に返済額が下がる仕組みです。
元利均等返済は金利が上昇すれば総返済額の差が大きくなるため、リスクを考慮する場合は元金均等返済を選びましょう。

地震・火災リスクの具体的な対策方法として、以下の3つが挙げられます。

◆地震保険や火災保険に加入する

万が一の場合に備えて、地震保険や火災保険に加入することがリスクヘッジになります。
地震・落雷・風災・火災など、災害被害に遭った際に補填を受けられます。
契約内容によって補償の範囲や内容が異なるため、しっかりと比較検討することが大切です。

◆ハザードマップでリスクを確認する

不動産投資をどこで始めても、災害リスクをゼロにすることはできません。
ただし、ハザードマップを活用すれば、地震や火災の危険度を確認することは可能です。
各自治体のハザードマップで、そのエリアの災害リスクの度合いや地盤の強さをチェックしましょう。
 

◆新耐震基準に準拠する物件を選ぶ

新耐震基準は、建築確認日が1981年6月1日以降の建築確認として適用される基準です。
旧耐震基準と区別して使われ、震度6強・7でも建物が倒壊しない想定で制定されました。
新耐震基準に準拠したマンションは、東日本大震災では倒壊が確認されませんでした。
また、築年数が古い物件は、耐震補強工事をする方法もあります。

不動産価値の下落リスクの具体的な対策方法として、以下の2つが挙げられます。

◆新耐震基準に準拠する物件を選ぶ

好立地の物件を取得することが、不動産価値の下落リスクに対する有効な策です。
賃貸需要の高い物件なら収益力が低下しにくいため、不動産価値の下落リスクを抑えられます。
そのためにも、物件エリアの人口動態や開発計画を調査しましょう。
人口動態は
政府統計の総合窓口、開発計画もインターネット検索をすれば知ることができます。

◆定期的な修繕やメンテナンスをおこなう

建物の老朽化を軽減するために、定期的な修繕やメンテナンスは欠かせません。
老朽化が目立つと入居者の減少につながるため、きれいな状態を維持するように努めましょう。
適切なタイミングで修繕をおこなうために、賃貸管理会社への相談も重要です。

不動産投資のリスクを回避するための対策

ここからは、不動産投資で失敗しないためのリスク回避の対策を4つ紹介します。

不動産投資のリスクを回避するためには、エリア・物件選びは慎重におこないましょう。
インターネットの情報だけで完結できますが、実際に現地まで足を運ぶことが大切です。
近隣エリアや地域の情報などを自分の目で見て調査すると、文字だけではわからないことも見えてきます。
どのような立地に建っているのかをチェックしてみてください。
不動産投資は成功事例からではなく、失敗事例から多くのことを学びましょう。
当たり前のようにやろうとしていることが、不動産投資では失敗につながることもあります。
成功している投資家の真似をして、うまくいかないことはよくある話です。
不動産投資のリスクを想定し学び続けるためにも、失敗事例を収集し、それを分析することが重要です。
投資用物件を購入する際は、必ず事前に収益シミュレーションをしましょう。
綿密にシミュレーションをすれば、想定違いで赤字になるリスクを避けられます。
また「相場よりも高く買ってしまった」という失敗を防ぐために、不動産マーケットを調べることも重要です。
検討物件のレントロールを入手して、周辺物件と価格や家賃相場などを比較してください。
賃貸経営を円滑におこなうために、賃貸管理会社を上手に活用しましょう。
物件を購入すると、入居者募集・賃貸契約・建物の維持管理・集金業務などが発生します。
これらすべてをオーナーがおこなうのは困難です。
賃貸管理会社に委託することで本業が忙しくても、管理業務に手間がかかりません。
調査結果によると、築0〜25年の家賃下落率は年率1%です。
とくに、築3〜10年は下落率が大きく、25年間の平均下落率1%を唯一上回っています。
弊社が管理する物件戸数に対しての入居率は99%(2023年1月時点)と非常に高い数字を維持しています。
オーナー様の大切な資産である物件を管理するにあたり、サポート内容も充実していますので、ぜひご相談ください。

まとめ

不動産投資は価格が大きい分、リスクが大きいと思われがちです。
しかし、事前に対策を講じることで、どのリスクもある程度はコントロールできます。
過去の失敗事例を学ぶことはもちろん、ノウハウと情報力のある不動産会社に相談することが大切です。
中山不動産では、投資未経験の方向けの無料セミナー・個別相談会を開催中です。
対面でお話させていただきながら、不動産投資に対する不安や疑問を一つずつ解消していきます。
経験豊富な専門家がしっかりとサポートいたしますので、安心してご相談ください。

どのような立地に建っているのかをチェックしてみてください。
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