アパート修繕費の相場はいくら?大家と入居者のどっちが負担するの?

こんにちは。
中山不動産株式会社です。

アパート経営をしていくなかで、修繕費は切っても切り離せない存在です。
建物の安全性の維持だけでなく、空室率の改善や入居者の満足度向上にもつながります。
しかし、多額の修繕費用が発生することに不安を覚える人も少なくないでしょう。

最大でいくらかかるのかはもちろん、どのタイミングで発生するのかも気になるところ。
ある程度の修繕費の相場を把握することは、アパート経営を成功させるために大切です。

この記事では、大家が想定しておくべき修繕費の目安を解説します。
また、アパート経営で修繕費を安く抑えるためのポイントも紹介します。

アパート経営を考えていて、修繕費に関する情報を集めている人は必読です。

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アパート経営でかかる3つの修繕費用

アパートの修繕費用は大きく3つに分けて考えられます。
それぞれ必要なタイミングや費用のイメージを押さえて修繕計画を立てましょう。

建物全体を補修する「大規模修繕」

アパートの修繕費でもっとも費用がかかるのは、屋根や外壁など建物全体に関わる大規模修繕です。
そのほか古くなった水道の配管工事や給湯器・トイレの交換などがあります。
とくに屋根や外壁の塗装、ベランダの防水処置など、外回りの工事には足場が必要な場合が多く、工事期間もコストもかかります。

工事の内容にもよりますが、大規模修繕の頻度は10~30年に一回、費用は数百万円単位から1千万円程度です。
基本的に、大規模修繕は建物の劣化速度を抑えることが目的です。
雨漏りやひび割れが発生してからの工事は高額になるため、定期的な修繕計画を立てましょう。

建物の一部を補修する「小規模修繕」

小規模修繕とは数万円から数十万円程度でおこなう、建物の部分的な補修工事を指します。
水回りの不具合や機械類の故障など、簡単な工事で済むものです。

また、劣化を防ぐための対応も小規模修繕の一つです。
シロアリの検査や外壁・屋根の状態検査など、問題が起きる前の点検も小規模修繕に含まれます。

設備の補修工事はその都度おこない、点検などは1年~数年の周期や退去後などにおこないます。
定期的な検査や小規模修繕は、将来の大規模修繕の費用削減につながるため重要です。

そのほか、空室率改善のためにおこなう室内の模様替えや部分的なリフォームなども、小規模修繕に含まれます。

入居前の状態に戻す「原状回復」

原状回復とは、パートの入居者が退去後に、部屋を入居時の状態に戻すことです。
通常はハウスクリーニングのみで完了します。

原状回復は次の入居者が入る前までにおこない、費用は入居者の敷金からまかなうのが一般的です。
費用はおおむね20万円以下に収まりますが、場合によっては数十万円になることもあります。

入居者の責任による破損・改造などにより工事費が高くなった場合は、敷金を超える部分も入居者に請求可能です。

アパート修繕費の目安と実施のタイミング

アパートの修繕費がかかるタイミングは設備によって異なります。
それぞれ設備ごと修繕時期を見極めましょう。

エアコン・給湯器の交換

エアコンは生活に欠かせない家電の一つです。
入居者の退去後に動作を確認し、必要に応じてメンテナンス・交換をおこないます。
入居時点で故障していればクレームにつながるおそれがあります。
交換周期は10~15年に1度、費用は1台3~5万円程度が目安です。

また、給湯器も壊れる前に交換するのが一般的です。
交換目安は10~12年に1度、費用は1台10~15万円程度かかります。
特別な問題がなければ全部屋分を一斉に交換します。

浴室・トイレ・キッチンなど水周り設備の交換

浴室やトイレなどは、本体よりも周辺の細かい設備で不具合が多いのが特徴です。
シャワーヘッドや水洗、タオル掛けなど、不具合が出たらその都度対応します。
修理費の目安は数千~数万円です。
トイレにウォシュレットを付けている場合は7~10年で交換します。

また、キッチンで起こりやすいのは水漏れや排水トラブルで、修理費用の相場は2万円程度です。
長期的には水回りだけでなく、20年を目安にガスコンロの交換なども視野に入れる必要があります。

給排水管の清掃・交換

給排水管は10年程度で劣化し始めるとされており、水漏れやニオイの発生などのトラブルにつながります。
問題がなくても10年を迎える前に点検を依頼し、清掃や交換をおこないましょう。

点検費用は方法や点検箇所により異なります。
内視鏡調査は1日5万円程度、サンプリング調査は1ヶ所につき8万円程度が目安です。
5,000円程度で高圧洗浄が依頼できます。

また、工事には配管の更生工事と更新工事があります。
更生工事とは、配管に樹脂を流し込んで表面を覆い、劣化を防止する工事です。
配管を入れ替える更新工事に比べ、周辺の工事が不要なため費用を抑えられるのが特徴です。

給水ポンプの交換

給水ポンプとは上階など高い位置に水を汲み上げる装置です。
給水ポンプに不具合があると、水の出が悪くなり、最悪の場合は水が出なくなってしまいます。
住民に迷惑がかかるだけでなく、トラブルに発展する可能性もあります。

定期的なメンテナンスをおこないつつ、10年を目安に交換しましょう。
交換費用はサイズにより異なり、80~200万円程度です。事前の見積もり確認をおすすめします。

クロス・床の張り替え

クロスや床材は経年劣化するため、定期的な張替えが必要です。
クロスなら6~8年、クッションフロアなら8~12年に1度のペースを目安に張り替えます。
汚れや破損の状況によっては退去時に必要となる場合もあります。

費用の目安はクロスで平米あたり1,000~1,500円程度、クッションフロアなら平米当たり3,000~5,000円程度です。
クロスや床は部屋の大部分を占めるため、部屋の印象をよくするためにも定期メンテナンスをおこないましょう。

屋根の防水工事

屋根の防水処理は10~15年で劣化するとされています。
工事内容は防水塗装か防水シートの貼り付けから選択するのが一般的です。
防水塗装は平米当たり、ウレタン塗装で3,500円程度、FRP塗装で7,000円程度です。
防水シートは平米当たり約1万円を目安に考えましょう。

スレート屋根などの場合は、20~30年ほどで屋根材のふき替えが必要になる場合もあります。
また、屋根に傾斜がない陸屋根も、修繕のタイミングなどの考え方は同じです。

外壁の塗装工事

外壁は雨水や日差しにさらされて日々劣化していきます。
基本的に10~15年ごとに塗装工事が必要です。
足場を組む必要があるため、屋根の修繕工事とあわせておこなうと費用を抑えられます。

外壁塗装の費用は平米当たり5,000~1万円程度で、10戸2階建のアパートで100~300万円程度のイメージです。
金額は塗料のグレードや外壁の状態などにより変動します。
外観の印象に大きな影響を与えるため、空室を防ぐためにも重要な修繕工事です。

室内の原状回復

入居者の退去後は、次の入居者を迎えるためにクリーニングや修繕工事をおこないます。
クリーニングを業者に依頼する場合は、部屋の広さに応じて費用が変わります。
平米単位で料金を設定している場合もあるため、事前に詳細を確認しましょう。
エアコンの交換やクロスの張替えなども原状回復のタイミングでおこないます。

間取り費用相場
1R・1K1万5,000~3万円
1DK・1LDK3万~4万円
2DK・2LDK3万~7万円
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アパート修繕費は誰が負担する?

賃貸アパートにおいて、修繕費は誰負担なのか疑問に感じる人も少なくないでしょう。
貸主(大家)が負担する場合と、借主(入居者)が負担する2つのケースに分けられます。

基本的に物件の性能維持・資産価値を高めるための修繕費は大家負担です。
入居者が負担する修繕費は、原状回復における故意・過失によって壊したものを元に戻す場合です。

それぞれが負担する修繕費の内容を、具体的な例を挙げながら解説します。

貸主(大家)が負担する修繕費の内容

アパートの大家が負担する修繕費は、おもに以下の3ケースです。

  • 室内の経年劣化・自然消耗
  • 古くなった設備の交換
  • 大規模修繕

まず、原状回復に関しては室内の経年劣化・自然消耗した部分は大家が修繕費を負担しなければなりません。
大家負担となるのは、以下のような場合です。

  • フローリングのワックス跡
  • 家具の設置による床・カーペットのへこみ
  • 日照などによる畳・フローリングの変色
  • 壁の画びょう・ピンなどの穴
  • テレビ・冷蔵庫の後部壁面の電気ヤケ

アパートに設置されている給湯器やウォシュレットなどの交換も大家が負担します。
ほかにも、外壁塗装や屋上の防水といった大規模修繕工事の費用も大家負担です。

借主(入居者)が負担する修繕費の内容

アパートの入居者が負担する修繕費は、原状回復に関する費用が該当します。
ただし、すべてが入居者負担になるわけではなく、故意・過失によって壊したもののみです。

入居者の修繕費負担について、民法607条では以下のように記載があります。

賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。

引用元:民法607条「賃貸人による修繕等

また、国土交通省は原状回復の定義を以下のように定めています。

原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること

引用元:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

入居者がアパートの修繕費を負担するのは、以下のような場合です。

  • 引越し作業中に生じた床や壁面の傷
  • 壁紙の落書き
  • ペットのひっかき傷・ニオイ
  • タバコのヤニ汚れ・ニオイ
  • 手入れを怠った汚れ
  • 壁の釘穴・ネジ穴
  • 飲み物をこぼして放置したことでできた畳のシミ

アパートの修繕費を抑えるためのポイント

規模に関わらずアパートの修繕にはある程度の費用がかかります。
将来を見据えてしっかり計画を立てることが大切です。

定期的な点検・メンテナンスを施す

アパートの修繕費を抑えるには、点検やメンテナンスを怠らないことが大切です。
とくに大規模修繕は、建物を維持するため計画的におこないます。
まとまった資金が必要になるため、資金不足であと回しにならないよう、毎月の修繕積立が欠かせません。
大きな損傷はないからといって点検やメンテナンスを実施しないと、将来修繕費用がかさむ可能性があります。

入居審査をしっかりとおこなう

アパートの修繕費を抑えるには、入居者のマナーを見極めることも重要です。
マナーが悪い人が入居した場合、掃除頻度が少なく部屋にカビや悪臭を発生させるなど、ひどければ床の張替えが必要になるケースもあります。
マナーのよい入居者には部屋を丁寧に使ってくれる人が多く、きれいな状態で部屋を返してくれます。
管理会社には入居者の審査基準をしっかり伝えておきましょう。

中古アパートは購入前に修繕履歴を確認する

中古アパートはこれまでの修繕状況によっては、購入後すぐに大規模修繕が必要な場合があります。
一見問題がなさそうでも、見えない部分で劣化が進んでいることもあります。
修繕履歴は不動産仲介会社を通じて管理会社などから取得が可能です。
事前に資金計画を立てるためにも、アパートの購入前に建物の修繕履歴を確認しましょう。

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まとめ

アパート修繕は突発的な場合もありますが、そのほとんどが定期メンテナンスを伴うものです。
事前にいくらかかるのかおおよそを把握して、計画を立てることが大切です。
また、修繕が発生した際に慌てないためにも、費用の積み立てをしておきましょう。

無理のない資金計画を立てたい人は、アパート経営の専門家に相談してみてください。
中山不動産では、ひとり一人に合ったプランをご提案します。
長く安定したアパート経営を実現するためにも、一度ご相談ください。

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