新NISAのデメリットとは?やめたほうがいいと言われる理由は?

2014年1月にスタートしたNISA(ニーサ/少額投資非課税制度)。
2023年9月末時点で証券会社のNISA総口座数は1,356万と、利用者数は増加傾向にあります。
NISAが始まった当初は2023年で終了予定でしたが、新しいNISA制度が2024年から始まり、制度が恒久化しました。
従来の期限が撤廃され、長期間にわたり非課税で投資できるようになっています。

将来に向けた資産形成として、NISAを始めたいと考えている人も少なくないでしょう。
老後の不安をなくすため、若いうちから資産運用を始めることは大切です。
ただし投資経験が少ない人の場合、NISAの仕組みを理解しきれていないかもしれません。
投資家にとってのメリットばかりがクローズアップされているNISAですが、デメリットも存在します。

この記事では、新しいNISAのデメリットや活用ポイントを詳しく解説します。
これから本格的に資産形成をおこなっていきたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

新NISAの概要

まずNISAとはどのような制度なのか、基本的な仕組みを理解しておきましょう。
NISAは個人投資家向けの税制優遇制度で、投資で得た利益が非課税になります。
2024年1月に大きな制度改正があり、非課税枠が拡大し、非課税で投資できる期間も恒久化されました。

新しいNISAの年間投資枠や非課税保有期間などの制度内容は以下のとおりです。
つみたて投資枠成長投資枠
利用 併用可
年間投資枠 120万円240万円
非課税保有期間 無制限
非課税保有限度額 1,800万円(生涯投資枠)※成長投資枠は上限1,200万円
枠の再利用
口座開設期間 恒久化

投資対象商品

金融庁が定める条件を満たす
公募株式投資信託と上場投資信託(ETF)
上場株式・株式投資信託等
※整理銘柄・監理銘柄、信託期間20年未満、
毎月分配型の投資信託および
デリバティブ取引を用いた一定の投資信託を除く
購入方法 積立のみスポット・積立
対象年齢 18歳以上
新NISAは年間合計360万円を上限に、幅広い金融商品に投資できます。
国内株式や投資信託だけでなく、外国株やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)も対象です。
月々100円程度の少額から投資可能で、投資の一歩目が踏み出しやすくなっています。
ただし、つみたて投資枠と成長投資枠では対象商品などに違いがあるため注意しましょう。

新NISAで注意したい7つのデメリット

NISAを正しく活用するために、デメリットをきちんと確認することが大切です。
どのような注意点があるのか理解したうえで、NISAを始めることをおすすめします。
NISAは株式や投資信託といった値動きのある金融商品に投資します。
つまり、運用結果によっては利益が生まれることもあれば元本割れ(=損をする)リスクもあります。
iDeCoのように定期預金を選択できないため、NISAに元本保証はありません。

ただし元本割れのリスクは、長期投資に取り組むことで軽減できます。
金融庁の「NISA早わかりガイドブック」のなかでも、投資対象を分散して長期保有(20年間)した場合は
元本割れを起こしていないという分析結果が公表されています。
NISAで資産運用を始める場合は、短期間での売買を繰り返すのではなく、長期保有を心がけましょう。
通常の証券口座(特定・一般)では、保有商品に利益と損失が発生した際、相殺して課税額を減らすことが可能です。
これを損益通算と呼びます。
たとえば、口座Aで20万円の利益が出るとします。
一方で、口座Bでは10万円の損失が出ています。
両方の取引が特定口座でおこなわれていれば、最終的な課税所得を少なくできます。
しかし、NISA口座で発生した利益は非課税であるため、他の特定口座や一般口座と損益通算ができません。

また、NISAでは繰越控除ができない点にも注意が必要です。
特定・一般口座で損失が出た場合は、最大3年間の繰り越しが可能です。
たとえば、株取引で10万円の利益が出た同じ年に、100万円の損失があったとします。
控除しきれなかった90万円は最大3年間、翌年以降の利益から90万円分の控除ができる仕組みです。

NISAで損失が生じた際には、損益通算や繰越控除ができないことは覚えておきましょう。
NISAはすべての金融商品に投資できるわけではないことも、知っておくべきポイントの一つです。
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した一定の金融商品という観点から、
金融庁の定める基準を満たした長期投資に適した投資信託のみに限られます。
つみたて投資枠の対象商品一覧は金融庁のページから確認できます。

また、成長投資枠に関しても一部要件があります。つみたて投資枠と比べると対象商品は多いものの、
下記の条件に該当する金融商品は投資の対象外です。
成長投資枠の対象商品は、一般社団法人投資信託協会のページから確認できます。
また、金融機関によって取扱商品が異なる点にも注意が必要です。

しかし、現在世の中には投資信託だけで約6,000本弱ものファンドが存在します。
投資経験があまりない人が、そのなかから自分に合った商品を選ぶのは困難でしょう。
NISAは投資できる商品が金融庁によって厳選されているため、初心者でも選びやすいと言えます。
先に紹介したとおり、年間の非課税投資枠は決まっています。
つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円の合計360万円までしか投資することができません。
1年間で買付できる金額に限りがあるため、不自由に感じる人もいるでしょう。

たとえば、手元に500万円の資金があるとして、それを今すぐ運用したいと思っても、NISA口座内では一括で投資することができません。
360万円と140万を2年間かけて投資をおこなうなど、上限を超える場合は何年かに分割して投資をする必要があります。

一方で、新NISAでは「生涯非課税限度額」という仕組みが導入されています。
この範囲内なら自由に商品を入れ替えられるため、資産状況や市場に合わせて、非課税で運用する商品のカスタマイズが可能です。
NISAのメリットである非課税が適用されるのは、NISA口座で新たに購入した金融商品のみです。
以前から保有していた株式や投資信託をNISA口座に移行することはできません。
つまり、すでに保有しているこれらの金融商品は非課税の対象外となります。

もし持っている商品をNISAで運用したい場合は、いったん売却してから買い直さなければなりません。
特定口座で持っている商品が長期での成長が見込めるのであれば、NISAで買い直す選択肢をしても良いでしょう。
ただし、NISAには1年間の非課税枠があるため、一括で購入できるのはその範囲です。
NISAの利用には、銀行や証券会社などの金融機関でNISA口座を開設する必要があります。
銀行や証券会社の特定・一般口座は複数持つことが可能です。
一方で、NISA口座を開設できるのは、1人につき1口座までとなっています。
1年単位で金融機関の変更は可能ですが、手続きに時間がかかるうえ、保有商品を移管できないことに注意が必要です。

先にも紹介したとおり、金融機関によって取扱商品が異なる点に気を付けましょう。
運用コストを抑えるために、手数料も見るべき項目の一つです。
金融機関によっては、取引手数料を無料に設定しているところもあります。
他にも、管理画面やスマホアプリなどのツールの利便性も比較対象です。

自分がNISAを活用するうえで重視している内容で、サービスの充実度を確認しながら口座の開設先を選ぶことが大切です。
新NISAで大きく変わる点の一つが、利用できる人の年齢が18歳以上であることです。
口座開設年の1月1日時点で18歳未満の未成年者は、NISAの口座開設ができません。

0〜17歳を対象としていたジュニアNISAは、2023年末で廃止となりました。
「子どもの将来のために、子ども名義で資産形成を始めたい」と考えている人にとっては、NISAでその選択肢はできなくなります。

ただし、ジュニアNISAの保有商品は、18歳になるまで非課税で保有可能です。
新規での購入はできないものの、すぐに資金が必要でなければ、保有し続けると良いでしょう。

新NISAにはデメリットしかないの?

ここまでNISAのデメリットを説明してきましたが、注意点ばかりではありません。
NISAには多くのメリットがあり、ここでは代表的な3つを紹介します。
NISAを活用する最大のメリットは、運用益が非課税になることです。
投資信託や株式などの運用で得られた利益(=分配金・配当・売買益)には、20.315%(復興特別所得税を含む)の税金がかかります。
税金がかかる分、手元に残る利益は減ってしまいます。

たとえば、つみたて投資枠で毎月3万円、利回り5%で運用したとしましょう。
この運用を20年間継続した場合に得られる運用益は513.1万円です。
しかし、課税口座で運用していたとすると、約104万円の税金が徴収され、受け取れるお金は約409.1万円となります。

一方、NISA制度を利用すれば、運用益への税金がかからずそのまま現金化が可能です。
非課税であることから税金の計算をしなくても資産の把握が容易で、医療費控除など他の申請がなければ確定申告をする必要はありません。
新NISAの非課税保有限度額は1,800万円と拡充されており、より大きな節税効果が期待できるでしょう。
次に挙げられるメリットが、非課税保有期間が無制限であることです。
つみたて投資枠と成長投資枠のどちらも非課税保有期間が無制限になっています。
NISA口座で新規購入した金融商品は、いつ・どのタイミングで売却しても税金がかかりません。

資産運用で安定的なリターンを得るためには、長期運用が重要だとされています。
非課税保有期間が無制限である新NISAは、長期を見据えた投資がしやすくなっています。
iDeCoとは違い、NISAはいつでも資産の引き出しが可能です。
老後の資金準備や節税目的ならiDeCoの活用もおすすめですが、NISAは必要に応じて売却できる点が魅力です。
非課税枠の範囲内であれば、何度でも購入できます。
NISA口座内の資産を売却することで、翌年以降に非課税枠の再利用が可能になっています。

たとえば、毎年360万円ずつ投資した場合、5年目に上限の1,800万円に達します。
このままでは6年目以降にNISA口座での買付はできません。
ここで、5年目に1,000万円を売却したとします。
売却して空いた分が非課税枠として復活するため、残りの800万円が翌年から使えるようになります。
なお、購入回数に制限はなく、何度でもおこなえます。

新NISAのデメリットを踏まえた資産形成のポイント

NISAを活用し賢く運用するためには、制度の理解だけでは足りません。
資産運用をおこなう際に心がけておきたいポイントを押さえることも大切です。
ここでは、NISAのデメリットやリスクを抑える方法を紹介します。
NISAで投資をしたくても、元本割れをすることに不安を感じているかもしれません。
そんな不安も、資産運用の基本である「長期・積立・分散」の3つの投資手法を知っていれば、
上手に付き合っていくことができます。

長期投資
長期投資のメリットは複利効果です。
複利とは、元本についた利益を次の投資にも組み入れて、元本を増やしていく運用方法を言います。
投資の期間が長ければ長いほど、複利の恩恵を受けやすくなります。
どんな商品でも値上がりと値下がりを繰り返すため、一時的な価格変動に一喜一憂することなく、
長期的な視点で投資をおこないましょう。

積立投資
積立投資のメリットは、買うタイミングの分散ができることです。
決まったタイミングで一定金額を投資する「ドルコスト平均法」を用いることで、リスクの軽減につながります。
価格が低いときに購入し、価格が高いときに売却すると利益を得られます。
しかし、金融商品の値動きを予測するのは困難です。
まとまった資金を投入すると、その後に価格が下落し続けるかもしれません。
積立投資により購入金額を一定にすることで、商品の平均購入価格が抑えられて、いわゆる「高値づかみ」を避けやすくなります。

分散投資
投資で失敗に陥りやすい原因の一つが、特定の資産に集中しすぎることです。
そのリスクを回避するためにも、分散投資を心がけましょう。
たとえば、国内企業の株式だけでなく、海外株式や債券などに分散することです。
値動きの特徴が異なる商品を持っておけば、仮に国内株式で失敗したとしても、他の資産でカバーできる可能性があります。
数ある商品のなかから、結局どれを買えば良いのか迷うかもしれません。
金融商品はそれぞれ特徴があり、リスクやリターンも異なります。
比較的ローリスクの商品もあれば、ハイリスク・ハイリターンの商品もあります。
「誰かが選んでたから」購入するのではなく、自分の投資目的やリスク許容度に合った商品を選ぶことが重要です。
そのためも、商品説明などを確認するのはもちろん、投資に関する知識も身につけましょう。

また、NISAの非課税投資枠をすべて使い切る必要はありません。
無理のない範囲でコツコツと積み立てていくことを意識しましょう。
その際に生活資金を利用するのではなく、あくまでもすぐに使う予定のない余裕資金で投資をしてください。

新NISAとの併用で不動産投資も選択肢の1つ

老後資金の準備であれば、NISAで長期運用をすれば可能です。
しかし、5〜10年以内に訪れるようなライフイベントに向けた貯蓄には適しません。
いつでも資産の引き出しができるとはいえ、その時期が早ければ早いほど元本割れのリスクは高まります。
住宅費や子どもの教育費などの支出に備えるために、NISA以外の資産運用も検討しましょう。

その選択肢の1つが不動産投資です。
マンションやアパートなどの不動産を購入し、第三者に貸し出すことで家賃収入を得られます。
入居者が定着してしまえば、長期的に安定した収益が見込め、NISAとは違い目先の手取りを増やせることが魅力です。

不動産投資の最大のリスクが「空室」です。
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不動産投資についてもっと知りたい人は、以下の関連ページをご覧ください。

まとめ

2024年から始まった新NISAは、投資で出た利益に税金がかからない制度です。
18歳以上であれば、どなたでも利用できるため、まずは始めてみることをおすすめします。
ただし、元本割れのリスクなど注意点もあり、デメリットをきちんと理解したうえで始めましょう。
自分の投資目的やスタイルに合った商品を選べば、資産運用の土台を築けます。

今後の人生において「いつまでに、いくら必要なのか」を明確にすることも大切です。
住宅購入や子どもの教育資金が必要な場合、NISAだけではカバーできないかもしれません。

NISAとの組み合わせで、不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。
資産運用についてFP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家に相談することと同様に、
不動産投資に関しても投資のプロに相談することが大切です。
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