【専門家が解説】住宅ローンの支払いができなくなったらどうなる?任意売却の基礎知識

こんにちは。
中山不動産株式会社 売買事業部 松井です。

新型コロナウイルスにより多くのモノ・コトに影響がでたことは言うまでもなく、それはこれからも続いていく可能性があります。

影響の一つには給与や賞与のカット、仕事の減少による収入減や、中には会社が倒産したりリストラにあってしまった人もいるでしょう。

「もし住宅ローンが支払えなくなったら」そんな心配する人がいるのも当然ですが、ここでは住宅ローンが支払えなくなったらどうなるのか、解決方法としての「任意売却」について解説します。

任意売却とは

住宅ローンが支払えなくなってしまった場合、その後どうなるのか知っていますか?

ものすごい取り立てがあってブラックリストに載り、給料を差し押さえられてしまうのか、それとも破産するように言われるのか。

不動産購入時には説明がないために、非常にざっくりとした印象をもっている人がほとんどだと思います。

正しい選択肢について

ここでの正解は「ローン完済できるならば普通に売却する」、または「抵当権が実行されて強制競売にかけられる」か「任意売却ができるならば任意売却をおこなう」の3択です。

その3択を詳しく解説する前に、前提となる「抵当権」について説明します。

抵当権とは

抵当権とは金融機関から住宅ローンの融資を受けたときに、お金を貸す側がその土地や建物を担保にとり、返済が滞ったときに備えるための権利です。

もし返済が滞ったときは抵当権を実行して不動産を売却し、そのお金を住宅ローンの残債務に充てます。

抵当権がついている不動産は平たくいうと「借金のカタ」に土地建物が供されている状態なので、そのままでは次に購入する人は購入できない=売却ができないのです。

そして抵当権が抹消するためには、残債務を完済すること(普通の売却)、抵当権が実行されること(強制競売)、金融機関の同意を得て売却すること(任意売却)のいずれかが必要になるわけです。

以上の内容を踏まえたうえで「もし住宅ローンが支払えなくなったらどうなるのか」について解説します。

住宅ローンが払えなくなったら

もし住宅ローンが支払えず、今後も支払いの見通しが立たない、そして普通に売却したくとも売却価格が残債務の額より低いときはどうなるのでしょうか。

滞納1カ月目から2カ月目だと住宅ローンの滞納すると借り入れをしている金融機関から電話やはがきなどで連絡があり、状況の説明のために金融機関の窓口までいくこともあるでしょう。

3カ月目になると個人信用情報機関に滞納情報が登録され、新たなる借り入れが制限されたり、使えなくなるクレジットカードも出てくるようです。

いわゆるブラックリストに登録された状態です。

そして5カ月から6カ月目になると、住宅ローン契約が破棄され、それまでの残債務と滞納による遅延損害金などが一括請求されます。

もちろんそれを支払える人は少ないので、多くの場合はその後抵当権が実行され、強制競売に移行します。

強制競売が申し立てられるとおよそ5カ月程度で所有権が移転され、自宅を出ていかなくてはなりません。

競売後に残った債務は金融機関から債権回収を委託された債権回収会社と相談しつつ、残債を少しずつ返済していくようになります。

以上のように、金融機関によって多少の期間のズレはあるものの、最初の滞納から1年で自宅を出ていく必要があります。

1年は長いようで短く、放置しておくとあっという間に取り返しがつかない事態になるので、「滞納してしまうかも」と懸念を抱いたら、専門家への相談をおすすめします。

任意売却は競売と何が違うの?メリットとデメリット

住宅ローンの支払いができないと先述した流れでもって競売で不動産が売却されてしまいますが、任意売却でも同様に不動産を売却します。

となると、任意売却と競売は何が違うのでしょうか。

任意売却のメリット

大きく違う点は残債額を抑えられることです。

任意売却は物件の相場なりで売却できますが、競売は相場の6割程度の価格になると言われていて、ときにはもっと低い価格で売却されてしまいます。

例えば相場が3,000万円だとするとその7割は2,100万円、どちらも残債務が残るとしたら900万円も差が出ます。

また、競売は管轄の地方裁判所で公表され、いずれ競売情報サイトで公開されてしまいますが、任意売却はできるだけ周囲に知られないように進めることが可能です。

契約や引渡しまでのスケジュール感についても任意売却はスケジュールが分かりやすく段取りが立てやすく、全て裁判所主導のもと進む競売とは異なります。

最後に任意売却は債権者によって引っ越しの費用を控除してくれる場合があり、競売の場合は全て費用負担する必要があります。

以上が競売との違いであり、任意売却のメリットです。

任意売却のデメリット

デメリットは大きく分けて3つあります。

ひとつは残債が残ること、ふたつ目は遅延損害金がかかること、三つ目は個人信用情報機関に登録されてしまうことで、全て競売と共通します。

  1. 売却後の残債については競売に比べて残債が減ることは先述しましたが、いずれにしても任意売却が完了したあとには債権者と相談をして、毎月少しずつ支払わなくてはなりません。
    その金額は毎月の収入と支出、いわゆる家計簿から計算され算出され、決して無理な返済金額を押し付けられるのではないので安心してください。
  2. 遅延損害金の金額については住宅ローン契約書や登記簿謄本に記載されていますが、年利約14%程度(金融機関によって異なります)の遅延損害金が設定されています。
    住宅ローン契約が破棄されるまでは毎月の返済金額に対する約14%の遅延損害金なので大きな金額ではありませんが、破棄された日から残債務に対する約14%の遅延損害金がかかります。
    残債務が2,000万円で遅延損害金が14%だとすると、年間280万円、1日あたり約7,671円の遅延損害金額になってしまいます。
    これは不動産の売却が終わり引き渡しされるまでかかるので、それなりに大きな金額ですが、必ず5カ月以上かかる競売に比べて任意売却は遅延損害金自体の金額を抑えられますよ。
  3. 個人信用情報機関への登録は住宅ローンを滞納している時点から、住宅ローン契約破棄のところまでが登録されてしまいます。
    その後は銀行からの融資は借りづらくなったり、銀行系クレジットカードは使えなくなることもあります。
    しかしクレジットカード自体の返済などを滞納していなければそのまま利用できるものもありますし、意外と大きな影響はないは少ないですね。
    ただし、連帯債務や連帯保証人がいる場合は注意が必要で、なぜならそれらの人も同様に個人信用情報機関に登録されてしまうからです。
    連帯保証人が親族だったら迷惑をかけてしまうこともあるので、必ず相談するようにしましょう。

任意売却の進め方と注意点

任意売却は住宅ローン契約が解除されたあと、競売の入札日までの期間で金融機関と交渉によって進められ、任意売却の許可が下りればそこから先は普通の不動産売買と変わりません。

その際には不動産会社との媒介契約や査定書、任意売却の申請書などが必要で、金融機関によって書類は異なりますが、不動産会社の協力は不可欠です。

ちなみに任意売却案件は宅建業者であればどの会社でも取り扱えます。

任意売却支援協会や、任意売却の資格を創設している団体もありますが特にそれらが必須ではないので、だからこそ正しい知識を持った不動産会社に任せる必要があるのです。

悪質業者には気をつけて!

ひどい例だと自社または関連会社で安く不動産を買い叩くために任意売却を進めて、取引後には大きな残債務だけが残り、自己破産を余儀なくされることも。

また、手広く取り組みすぎて会社が遠方にも関わらず仕事を請け負う任意売却業者がいるのも事実です。

何かあったときにも相談しやすく、フットワーク良く動ける地元の信頼できる不動産会社に依頼するのが最適だと言えるでしょう。

任意売却の注意点

注意点としては、金融機関によってかなり対応が異なる点です。

任意売却期間を半年間取ったあと、それで売れなければ競売に移行する金融機関もあれば、問答無用で競売に移行し競売期間中に任意売却を進めてくれというところもあります。

そもそも任意売却ができないケースで、住宅ローン滞納の結果、競売でしか対処しない金融機関もあります。

なので、住宅ローンを滞納してしまったら全て任意売却ができるわけではないので、そのあたりも任意売却を熟知している地元の不動産会社に相談する理由です。

任意売却できないケース

任意売却できないケースとしては、抵当権者が複数人いる場合に注意が必要です。

1番抵当の残債務に売却金額が全て弁済されてしまうとき、2番抵当以降は弁済を受けられません。

そうなると、1番抵当は良くても2番抵当が任意売却を拒否する、または2番抵当が最低限弁済を受けたい金額を求め、その弁済を1番抵当が拒否するなど、話がまとまらないケースがあるのです。

これらもうまくまとめる、事前調査にて見極めることは重要で、任意売却を上手く進めることが不動産会社によっては可能となる場合があります。

弊社、中山不動産には任意売却の経験豊富なスタッフも多数在籍していますので、住宅ローンについてお悩みの人は一人で悩まずに、まずは相談してみてくださいね。



お気軽にお問い合わせください。0800-200-5102受付時間 9:30-19:00 [ 水・日除く ]

お問い合わせ
  1. この記事へのコメントはありません。