【保存版】ツーバイフォー工法とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説

こんにちは。
中山不動産株式会社です。

注文住宅で家を建てるときには、決めなければならないことがたくさんあります。
そのなかでも最初の段階で、どの工法にするか迷う方も多いのではないでしょうか。
一生に一度の大きな買い物だからこそ、工法についてもよく知っておきたいものです。

この記事では2×4(ツーバイフォー)工法の特徴や、メリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。

在来工法と異なるところも説明しているため、どちらが良いか迷っている方はぜひ参考にしてください。

2×4(ツーバイフォー)工法とはどういう意味?

2×4(ツーバイフォー)工法とは、家を建てるときの方法の一つで、別名「木造枠組壁工法」です。

名前の由来は使用する構造材が2インチ×4インチであることから「ツーバイフォー」と呼ばれており、日本では1974年頃から普及してきました。

ツーバイフォー工法では、柱や梁ではなく、床・壁・天井の6面で建物を支えます。

箱を作って組み立ててから窓などをくり抜いて完成させる工法で、でこぼこの少ないシンプルな空間が特徴です。

比較的短期間で安定した施工が可能なため、現在では在来工法と並び日本の代表的な工法として広く普及しています。

在来工法と2×4(ツーバイフォー)の違いは何?

2×4(ツーバイフォー)在来工法
建物を支える建材壁4面・天井・床柱・梁・筋交い・耐震壁
工期比較的短期比較的長期
※自由に間取りを決められるため打ち合わせなども含めると長くなりやすい
間取りの自由度低い高い
接合部分釘・金物継手・仕口・補助金物
窓や出入り口など開口部分の自由度・制限がある
・強度に不安が残るため一定以上は大きくできない
・自由度が高い
・種類が豊富
リフォーム・リノベーションの自由度制限がある
※自由なリノベーションは困難
自由度が高い
※間取りの変更や自由なリノベーションが可能
施工業者・主にハウスメーカー
・取り扱い業者は多くない
・マニュアル化された工法のため施工にばらつきが生じづらい
・歴史がある工法のため取り扱い業者は多い
・職人の技術により施工にばらつきが生じやすい

「在来工法」は基礎部分ができたあと、柱を立て梁を平行にかけ筋交いという構造材を入れながら建てていきます。

柱を軸としているため、耐久壁の部分に響かなければ壁をなくして大胆なリノベーションも可能です。

耐震性については木材のつなぎ目に補助金物を使ったり、壁の量を規定したりといった方法で確保しています。

2×4(ツーバイフォー)工法は基礎部分ができたら、一階→二階→屋根と下から順に建てていきます。

耐震性の確保で面の配置ルールが細かく定められており、間取りの自由度は高くありませんが、作業がシステム化されているため、品質のばらつきが生じにくいと言えるでしょう。

下記関連記事では、注文住宅を建てるときの坪単価について徹底解説しています。

ハウスメーカーと工務店の違いや、実際にかかる費用との差など、これから施工業者を探すという方は注目です。

2×4(ツーバイフォー)工法の特徴

在来工法とさまざまな点で大きな違いがあることがわかりました。

ここでは、2×4(ツーバイフォー)工法の特徴を掘り下げて解説します。

耐震性に優れている

2×4(ツーバイフォー)工法は耐震性に優れていることが特徴の一つです。

地震によって起こる、縦揺れや横揺れを面全体で受け止め、負荷を分散させ変形などを食い止めて建物の全半壊を防ぎます。

一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会によると、阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震においてツーバイフォーの住宅被害は少なかったと報告されています。

全半壊の理由としては地盤によるものが多く、地震による被害は軽微なケースが大半だったことからも、ツーバイフォー工法は地震に強いと言えるでしょう。

耐風性が高く台風に強い

巨大なハリケーンが多発する北米地域で普及した2×4(ツーバイフォー)工法は、耐風性が高く台風に強い特徴があります。

ツーバイフォー工法に使用される金具はハリケーンタイと呼ばれ、外壁としっかり連結して優れた強度を発揮し、台風の強風により屋根が飛ばされるなどの被害を抑えます。

気密性が高く外部から音が侵入しづらいため、台風の轟音もさほど気にならないでしょう。

台風が多い地域では、耐風性の高いツーバイフォー工法がおすすめです。

気密性が高く耐火性に優れている

2×4(ツーバイフォー)工法は特別に設計せずとも、気密性が高く耐火性に優れています。

ツーバイフォーで使われる石膏ボードやグラスウールはファイヤーストップ材が使用されており、炎が発生した際に屋根や壁内部に火が回るのを遅らせることが可能です。

そのうえ、枠組み材が空気の流れを遮断し、炎の燃え広がりを防止します。

木造住宅でありながら耐火性が高いと評価され、鉄筋コンクリートや鉄骨の戸建て住宅と同等の火災保険料となり、その分費用を抑えられます。

2×4(ツーバイフォー)工法の住宅を建てるメリット

マイホームを建てるなら、少しでも頑丈で安く購入したいものです。

ここでは、2×4(ツーバイフォー)工法で住宅を建てるメリットを紹介します。

メリット①工期が比較的短い

2×4(ツーバイフォー)工法で使う木材は、事前に大量生産された材料を組み立てて施工するため、職人による手作業が省け、短期間での施工が可能です。

作業がシステム化されており、比較的工期が短くて済みます。

耐震性の強度を上げるための施工時間も省略できることも、工期が短い理由です。

ある程度間取りも決まっており、打ち合わせに時間を要しません。

メリット②施工費用が安く済む

2×4(ツーバイフォー)工法は施工費用が安く済む場合も少なくありません。

その理由の一つは、2インチ× 4インチの建材が世界基準として共通のサイズとなっており、安定的な供給が可能で大幅なコストダウンを実現できているからです。

また、作業の効率化によって工期が短縮され、ほかの工法よりも費用を抑えられます。

メリット③品質に大きな差がない

2×4(ツーバイフォー)工法の住宅はシンプルな構造が基本で、取扱業者による施工不良などの心配が少なく、品質に大きな差がないのがメリットです。

使用する建材が規格化されていることから、職人の技術によるばらつきが生じにくいです。

作業工程や釘を打つ本数などもマニュアル化されており、特別な技術が必要ありません。

2×4(ツーバイフォー)工法の住宅を建てるデメリット

2×4(ツーバイフォー)工法にもデメリットが存在します。

メリットだけでなく、デメリットを知ることで最適な工法を選択できるでしょう。

デメリット①間取りの変更やリノベーションが難しい

2×4(ツーバイフォー)工法は建材が規格化されており、間取りの変更や自由なリノベーションは難しいというデメリットがあります。

壁や開口部のサイズも決められているため、窓やドアを自由に設置するのが難しく、将来的に壁をなくして開放的な空間にするなど大規模なリノベーションは困難です。

また、ツーバイフォー工法は箱型を基本としており、三角形や台形など土地の形によっては建設が難しい場合もあります。

しかし、ルールがきっちりと定められており、安心安全の工法であると言えるでしょう。

デメリット②湿気や結露が起きやすい

2×4(ツーバイフォー)工法は気密性が高く冷暖房の効きが良い反面、湿気や結露が起きやすいデメリットがあります。

湿気や結露が発生する原因は、外と内部の気温の差が激しくなることです。

放置すると、カビやダニの発生や湿気が抜けず木材が腐食する可能性もあり要注意です。

ツーバイフォー住宅を建てるなら、通気性を考えた設計や、こまめな換気が欠かせません。

特に寒さが厳しい地域では、冬の結露対策が必須となるでしょう。

2×4(ツーバイフォー)住宅の寿命・耐用年数は?

2×4(ツーバイフォー)住宅の耐用年数は、30~80年です。

高気密で湿気が抜けづらいため寿命も短いと言われていましたが、現在は日本に輸入される建材の基準が厳しくほとんど心配はないでしょう。

以下の3つを定期的にチェックし、劣化し始めたら早めにリフォームすることが大切です。

  • 柱の腐食
  • 床の変色
  • 外壁の劣化

どの住宅でも共通して言えることですが、自然災害などのケースを除いて、メンテナンスを怠らず対策していけば80年以上住み続けることも可能です。

まとめ

2×4(ツーバイフォー)工法は間取りの自由度が低く、気密性の高さから湿気が発生しやすいものの、比較的安く早く高品質な住宅を建てることが可能です。

特に地震や火事、台風に強いところは日本で暮らすうえでは大きな安心材料と言えます。
地震から家を守るには、土地選びも重要なポイントです。

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